「空の狼」は、20世紀最高のスーパーヘリコプター

〜AIRWOLFの魅力〜

(2005/6/16 加筆・修正)


日本でのテレビ放送が終了して早17年。壮大なスケール感を持つこのドラマは、未だもって色褪せない魅力を持っています。しかしながら時は進み、このハイテクメカムービーさえも知らない世代が、おそらくこの先増えていくだろうと言う危機感から(もちろんこれは「ナイトライダー」にも言える事だが)改めてこのテレビムービーの凄さと面白さとを伝えなければならないと思い、勝手ながら自分のHPにおもいきってエピソード紹介コーナーまで作ってしまいました。

悲劇的な過去を持つ主人公のパイロット、ストリング=フェロー・ホークは、CIA部長のアーク・エンジェルとの取引で、ベトナム戦争で行方不明になった兄を探し出すのを条件に、科学者モフェットが開発し、CIAから盗み出された「エアーウルフ」を奪い返し、アメリカ南西部の砂漠に隠匿する・・・。縦横無尽に空を飛び回るエアーウルフのパフォーマンスは、鮮やかで、見ていて気持ちがいい。到底日本映画でこれほどの作品を作る事など、不可能、いや製作者は真似を使用ともしないだろうが、別にあってもいいとは、思っている。こういう作品を純粋に受け止めていく製作者が増えれば、きっとこの先日本でも素晴らしいアクション映画が登場するに違いない。それができなければ、日本のアクション映画は、滅亡するであろう。そう言えば、昔日本でも十年以上前に織田裕二が主演した「ベスト・ガイ」という映画があった。しかし、やはり日本は規制王国だ。ハリウッドほどの迫力は、到底ありえなかった。もし、今世紀に日本でも壮大なスカイ・アクションを作れる環境を得ることができたならば、真っ先にまずこの作品を参考にすべきだと私は断言しておきます。

「エアーウルフ」は、1984年から1987年にかけて、アメリカCBSテレビで放送されていた人気テレビムービー。驚くことに、この壮大な作品は、当初、誰しもが映画だろうと信じて疑わなかった。しかし実際、これがテレビで毎週お茶の間に流れていたのだ。アメリカとは、なんてスケールのでかい国なのだ。こんな壮大な作品をいともたやすくテレビシリーズ化してしまうなんて・・・。もちろん、この成功は、プロデューサーのドナルド・P・ベリサリオの手腕によるものであり、一重にプロデューサーと言う肩書きだけで、これほどのドラマを実現させてしまったのだから、今となっては信じがたいものだと思います。また、優秀なスタントマン達のおかげで、迫力のある実写映像の数々を映し出す事ができたのも、成功した要素の一つでしょう。この「エアーウルフ」放送当時のアメリカでは、それと同時刻に別のチャンネルで同じヘリコプターを扱った「ブルー・サンダー」が放送され、視聴率競争でしのぎを削りあっていた。残念ながら「ブルーサンダー」は、1シリーズで姿を消し、「エアーウルフ」が勝利を収めた形になった。テレビシリーズの「ブルーサンダー」は、キャストが大幅に変更され、また話も映画ほどのスケール感はなくなってしまい、魅力が半減してしまったのが、残念だ。登場人物の個性、そしてそれを演じるキャスト、ストーリー、テーマ音楽、そして「ベル222」と言う高速ヘリをベースに作り上げられた「エアーウルフ」機のデザインとその戦闘能力、その全てが、「エアーウルフ」の方が勝り、魅力的な結果だったということでしょうか。

 

「テレビ」の枠を越えた超パワフル戦闘ヘリムービー

こんな超ハードなストーリー設定を二十数年も前に作り上げているアメリカは、ほんとに凄い。まさに映画大国だ。何度も言うように日本では絶対真似できないし、こんな題材の映画を実写で撮影しようと言う監督は、まずいないだろう。しかし振り返ってみると、昔日本にも偉大な監督がいた。様々なSFシリーズや「ウルトラマン」シリーズを手がけた円谷監督。円谷映画全盛の頃の日本映画は、国産の軍艦や、軍用機が登場した映画がたくさんあった。もちろん、それらはほとんどミニチュアであり、実物を使って撮影することはまず在り得なかった。しかし、当時まだSFタッチに見慣れていない人々は、円谷映画の魅力にはまり、ミニチュアのアクションを堪能した。残念ながら僕自身は、「ウルトラマンシリーズ」を再放送でしか見る事ができなかったが、それでも夢中になったのを覚えている。80年代に入ると、戦隊ものや、「ロボコップ」のモデルにもなった「宇宙刑事シリーズ」と言った特撮アクションが全盛になり、それらには必ずや独特なデザインの戦闘機が登場していた。もちろんそれらは、当然の事ながら全てミニチュアが主体になっている。しかし、「エアーウルフ」は違った。登場するヘリや戦闘機がほとんどすべて実物なのだ。もちろん「エアーウルフ」の中にもミニチュアは登場している。しかし、「エアーウルフ」が他のヘリや軍用機と飛行パフォーマンスを繰り広げるシーンは、全て実写。ここがすごい所だ。もはやこの手のアクション映画の特殊な撮影は、全てCGが主体になってしまい、見た目には、本物に見えても、実は全てそれらが作り物だって事が後からわかると、確かにそのCGの出来栄え良く見えても、物足りなさをいつも感じてしまう。(この間「エアレース」と言うテレビ映画をレンタルして見たのだが、飛行シーンは、見事にCGばかりでげんなりしてしまった…)CGである事がはっきりわかってしまうと、もうその時点で話に溶け込めなくなるのだ。そう言えば、ここ最近日本でも「守ってあげたい」と言う映画に、台風災害の場面で、陸上自衛隊が所有する「AH−1」や「UH−1」などのヘリが登場していた。もちろんそれら実写だが、戦闘シーンなどあるはずもない。

実物大の本物のヘリや戦闘機を登場させて、戦闘シーンを繰り広げているテレビシリーズは、「エアーウルフ」と「ブルーサンダー」、また最近ドイツで登場した「ヘリコップ」というのもあるが、4シリーズと言う長期に渡り制作されているヘリ映画は、「エアーウルフ」の他に存在しない。当時のアメリカのパワフルなチャレンジ精神には、恐れ入る。

ハリウッドの歴史を辿ると、70年代前半にブームになったパニック映画全盛の頃に「エアポートシリーズ」が登場している。そのスカイ・アクションの映像描写も当時としては、画期的で見事だった。しかし80年代、そんな成功をあざ笑うかのように、次々と新しいスカイ・アクションムービーが登場する。1983年に公開された「ブルーサンダー」である。

ガゼルと言うヘリをモデルに作られた通称「ブルーサンダー」と言うヘリが、都会の上空で派手な戦闘シーンを展開している。当時まだCG技術などあったわけでもないのに、その迫力ある戦闘シーンの映像の素晴らしさには、感動の一言。なぜ感動するかと言えば、これがすべて、偽りのない本物のヘリで撮影されているからだ。

これをヒントにさらにスケールアップして登場したのがこの「エアーウルフ」。エアーウルフでは、当時アメリカと敵対していたソビエトや、カナダ、アフリカなど世界をまたにかけた壮大なエピソードが散りばめられ、F−4や、F−15、16、シーハリア、はたまたミグ戦闘機やB25やB52爆撃機など、アメリカの伝統ある戦闘機や戦闘ヘリが次々と物語に登場し、エアーウルフとバトルを繰り広げている。

その後、映画界では、「アイアンイーグル」「トップガン」「メタル・ブルー」「アパッチ」など、次々とたくさんのスカイアクション・ムービーが登場した。もちろんスカイアクションに関わらず、アメリカ映画には、いろんなジャンルで様々なヘリが登場している。時代をおうごとにその戦闘シーンの映像は、より忠実にリアルに、素晴らしいものへと変貌したのは言うまでもない。しかし、テレビサイズで登場した「エアーウルフ」に勝るものはない。それは「エアーウルフ」はそれらの映画以上に活躍できる場を与えられたからだ。エアーウルフの成功がその後登場したスカイアクションムービーに多大な影響を与えたのは、まぎれもない事実ではないでしょうか・・・。

 

豪華キャストにより生まれたコンビネーション

「エアーウルフ」に魅力を吹き込んだ豪華キャストにも注目してみたい。ストリング=フェロー・ホークという珍しい名前の主人公を演じているのは、ジャン・マイケル・ビンセント。ジーン・ハックマンと共演した西部劇「弾丸を噛め」や、サーフィンに賭ける若者達の青春を描いた「ビック・ウェンズデー」、その他「爆走トラック‘76」や、「摩天楼ブルース」など数多くの映画に出演している名優。最近作は、「バッファロー66」。ホークの個性は、JMVそのものの個性のようにも見えるし、あのシニカルなジョークと一際熱いセリフが魂を揺さぶります。

パイロット・ホークの恩師で親代わりのドミニク・サンティーニを演じるのは、アーネスト・ボーグナイン。この人、意外や1955年に主役を演じた「マーティ」という映画でアカデミー男優賞」を受賞している。その後、いろんなジャンルの映画に次々と出演。西部劇「ワイルド・パンチ」や70年代パニック映画の黄金期を飾った「ポセイドン・アドベンチャー」「北国の帝王」など。あの独特の笑い方と、その存在感は、往年のスターの風格そのものと言った感じで、彼のユニークなキャラクターがドミニクにも吹き込まれているようです。

ケイトリン・オシャネシィを演じるのは、ジーン・ブルース・スコット。アメリカで8シーズンに渡り放送されたトム・セレック主演の人気テレビシリーズ「私立探偵マグナム」にレギュラー出演し、その作品で数多くのエピソードの脚本を手がけていたドナルド・P・ベリサリオに誘われ、「エアーウルフ」の第2シリーズから登場する事になった。彼女は、「エアーウルフ」にレギュラー出演が決まる前に「ナイトライダー」にもゲスト出演している。(「A Nice, Indecent Little Town」は、日本では未放映でしたが、現在は、「ナイトライダー シーズン1 コンプリートDVD−BOX」のDVDで見ることができます。)ボーイッシュなスタイルと、男勝りの勇ましさのあるケイトリンは、まさに彼女のはまり役と言うべきでしょうか。

左眼のアイパッチと白無垢衣装がトレードマークのマイケル・アーク・エンジェルを演じるアレックス・コードは、アメリカで数多くの映画やテレビシリーズに出演している。彼の存在も、「エアーウルフ」には欠かせない。ホークとは、時に敵対する仲のアークエンジェル。彼もまた冷静沈着でマイペースな個性の持ち主。アレックス・コードは、まさにアーク・エンジェルそのものであり、ユニークな存在感の持ち主だと思います。

 

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